電圧上昇抑制対策について

電圧上昇抑制とは

電力会社の電圧がパワーコンディショナの出力上限値を上回ると、パワーコンディショナの売電が抑制される現象です。この状態で売電を強行すると電柱側の電圧が上がり、自宅の家電だけでなく周辺住宅の家電や機器を故障させることがあります。

日の出とともに発電をはじめ、昼間の発電量が最大となり、日の入りに向かって発電量が減っていくいわゆる「山なり」の状態が理想的な発電グラフの形です。しかし、下のグラフから分かるように電圧上昇抑制が発生すると、発電量の上下が激しく動きます。

電圧抑制が発生している場合の発電グラフ

既に設置しているお客様の場合

1. 状況の確認

まず、「あまりにも発電(売電)量に疑問がある」場合は、モニターとパワコンのエラーメッセージやコメントを確認してみましょう。
SMAパワコンの場合、ファームウェアのバージョンが2.61以上の場合はパワーコンディショナ本体の液晶画面に「電圧上昇抑制中」のメッセージと、サニービューのイベント履歴に電圧上昇抑制の発生が表示されます。

パワーコンディショナ本体の液晶画面(電圧上昇抑制中)

注)現在ファームウェア2.0の方はアップデート用SDカードを無償で貸し出しをしております。

2. 電力会社に改善を依頼

電圧抑制の主な改善方法は以下の2点になります。

  • パワーコンディショナの出力電圧上限値を電柱の電圧より高く設定
  • 電力会社の柱上トランス最大電圧をパワーコンディショナ出力上限値より低く設定

パワーコンディショナ本体の液晶画面(電柱の電圧)

注)一般的な家電製品は、110V位まで耐久性がありますのでパワコンの電圧を多少上げてもすぐに壊れることはありません。
ただし、寿命が早まる可能性があります。実施する際は自己責任にて家庭内の状況を良く確認して下さい。
電圧抑制に対して、どのように対処するかは、電力会社が決定します。
電圧抑制については法律等で決まっていませんので「どのように話し合いをするか」が非常に重要です。

電力会社との交渉のポイントは2点

①「電圧上昇抑制が【何時頃に】【どの位の頻度で】発生しているのか?」
 →こまめに確認し、電圧上昇抑制中とモニターに表示されている写真を撮る

②「その原因が電線側の電圧が高いという証拠を提示する」
 →パワーコンディショナに電柱側の電圧が表示されている写真を撮る
上記の確認時における写真を書く電力会社に提出して「電圧抑制がかかって困っています」と問い合わせをしてみましょう

これから施工される場合

1. ケーブルの接続工事と選定には注意点があります

ケーブルの接続工事の説明図

2. 機器の設置場所のおすすめ

パワコン・集電箱・メーターをできるだけ電力柱側にまとめて設置した方がケーブルの長さも短くできるため電圧上昇抑制を軽減できます。