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再エネ賦課金について

再エネ賦課金について

参考資料:再エネ賦課金等の推移について 出展:資源エネルギー庁

この再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの普及を推進するためには大いに役立つのですが、企業や家庭等、電気の使用者としての立場から見ると、毎月の電気料金の上昇につながるため、大きな懸念材料にもなっています。平成28年度は個人や法人が太陽光発電設備を設置すると、10kW以上は24円/kWh、10kW未満の買取価格は東京電力・中部電力・関西電力管内なら31円/kWh、その他電力会社管内なら33円/kWhで買い取ってもらえます。この買い取りのために必要な費用は、電力会社が負担するわけではなく、電気の使用者が、使用量に応じて負担することになっているのはご存知でしたか?  電力会社は毎月通常の電気料金と併せてこの負担金(賦課金)を企業や家庭から回収し、再生可能エネルギーの電力を買い取っていま す。

太陽光発電を載せない人は電気料金で損をしている

再生エネルギーの固定買取制度が始まる前は、余剰電力買取制度の下で太陽光発電促進付加金が回収されていました。システムとしては現在の再エネ賦課金と同じです。

固定買取制度の仕組み

太陽光設備を載せている人も載せていない人も、電力会社(従来の電力会社や新電力会社を問わず)から電気を買っている全ての人が使用量に応じて再エネ賦課金を支払っています。繰り返しますが平成28年度の場合なら、標準家庭(300kWh/月)なら月額675円、年額8100円の負担です。

固定買取制度の仕組み

太陽光設備を載せている人は、太陽光設備で発電した電力を家庭内で使用すれば電力会社から購入する電力量がずっと少なくなります。来年以降さらに電気料金が値上がりしても、購入する量を抑えられれば負担は減ります。一方でアパートやマンション、太陽光設備を載せていない家庭では、自宅で電気を創って使うことが出来ません。住宅ローンはいつか支払いが終わりますが、光熱費はずっと支払い続けるのです。光熱費削減のために節電を心がけても、太陽光設備付き住宅の光熱費と太陽光発電設備なしの住宅を比較すると光熱費の支出差は年々開いていくでしょう。

来年以降の再エネ賦課金

冒頭で述べた通り、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が買い取る財源は、再エネ賦課金という名目で全ての電気使用者から回収されています。制度開始当初は42円/kWh(10kW以上は40円/kWh+税)だった買取単価は年々下がっていますが、再生可能エネルギーの発電設備の数は今後も増えていくので、再エネ賦課金は来年も上がると考えられます。  ただし、固定買取制度が始まって間もない2012年に導入された10kW未満の太陽光と10kW以上の太陽光は、それぞれ2022年、2032年には買取期間が終了します。買取対象の再生可能エネルギーが減少していけば、賦課金は下がっていきます。  下のグラフは2013年の環境省の賦課金単価の試算です。ここでは2030年まで固定価格買取制度が継続することを前提にしています。2030年が再エネ賦課金単価のピークになり、その後は買取対象の再生可能エネルギーが減少するため、ずっと下がっています。(「高位」の金額は試算の中で再生エネルギーの導入量が最も多いケースを想定しています)

賦課金単価の分析結果

参考資料:再生可能エネルギーの導入に伴う効果・影響分析 出展:環境省
 もっとも2016年の時点で賦課金は2.25円/kWhなので、今後の賦課金の上昇、言い換えると電気料金の上昇は試算よりも高くなりそう です。これから住宅を購入する方は、もっと先の未来を見据えて太陽光の設置を考えてみてはいかがでしょうか。